理事長 所信

公益社団法人 彦根青年会議所
第67代理事長 宮川 佳典

【はじめに】

「令和」:人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ時代へ

 寄せる波は浮きつ沈みつ、日本国内のみならず世界的にも正に激動と言える31年間の「平成」が終わりを告げ、「令和」という元号を掲げた新時代への華々しい幕が開きました。平成バブル崩壊から戦後最長の景気拡大期であるいざなみ景気、リーマン・ショックを経て、低成長ながらも緩やかな回復傾向にある日本経済。しかしながら、時代に翻弄されるように世界における日本の競争力は減衰し、その存在感は後退しているのではないでしょうか。少子高齢化、相次ぐ自然災害、刻一刻と変化し緊迫を続ける世界情勢、正に国難と言える時代において、「令和」に込められた想いは平和で穏やかな社会を渇望する国民の願いを表しているように感じられるものです。幾多の苦難を乗り越え、日本において真に明るい豊かな社会を実現するために、今為すべきことは何か。翻弄されるままに後手の対応に甘んじていては活路を見出せないはずです。混沌とした時代だからこそ、私たち青年はそれらを切り拓くべく未知の可能性を信じ、実現すべき未来を見据え次代の開拓者として率先して行動する必要があります。いつか来るであろう不確かな未来に向かうのではなく、すでに動き出している我々が目指すべき未来へと確かに歩みを進めることが、人と人が協和する、令和に相応しい新たな価値を生み出せる社会の創造を実現します。私たちがこの地から新時代を始めていきましょう。

2020年度をもって公益社団法人彦根青年会議所は68年目を迎えます。1953年の設立から数多の諸先輩方が青年会議所の旗印の元に集い、青年会議所の礎を築き、地域の先駆者として先進的な活動を重ねて現在のひこねを創り上げてこられました。大きな夢を掲げ、地域の課題と向き合い、若い発想力と行動力を存分に発揮して運動を推し進める。未来への希望を胸に、このひこねを活力溢れる地域へと更なる発展を目指して歩み続ける。その熱き想いは今も尚、我々の血に変わらず脈々と流れています。いつの時代も矜持を持って地域や市民の意識に変化をもたらし、ひこねの未来を切り開いてきたのが彦根青年会議所です。視点を変えれば地域の存在がここにあり、彦根青年会議所に信頼が寄せられ、必要とされてきた歴史があるからこそ、私たちは今、青年会議所活動の機会や仲間、市民、文化や自然といった地域資源との出会いに恵まれているとも言えるのではないでしょうか。地域への感謝の心を胸に刻み、青年としての英知と勇気と情熱を持って地域の発展に寄与することは私たちの使命であります。青年会議所の運動がまちをつくり、その真摯な運動が地域からの更なる信頼と付託を生み出し、次なる運動へと繋がっていく。このサイクルが青年会議所活動の推進力となります。メンバーが、組織が、市民が、地域が、活動に伴って共に成長を遂げていく姿をイメージして私たちの成すべきことを為していきましょう。

【共感が導く組織の持続的な成長】

知己朋友(ちきほうゆう)」:己の心をよく知ってわかってくれている間柄のこと

 彦根青年会議所は2011年に公益社団法人格を取得し、公益事業の実施を主たる目的とした団体として新たな歩みを始めました。私たちはその意義を再認識し、公益性の高い活動を推進することはもとより、定款諸規則、コンプライアンスを徹底し、適正に運用することによる透明性の高い活動が求められています。このような活動の実施は公益社団法人として必要であるだけではなく、地域からの更なる信頼と付託を得ることにも繋がっていると考えています。その上で私たちは何を目指し、誰のために、何のために活動をしているのかという組織の根幹に立ち返り、共通の認識を深めていくことが、結束を高めて組織の力を活かした活動を展開する要因となり得ます。彦根青年会議所の一員であるという帰属意識を呼び覚まし、メンバーそれぞれが役割を自覚し、互いの活動に共感し合う組織へと進化を遂げることで、真に地域に必要とされ、メンバーが必要とする青年会議所像を構築していきましょう。
 また、私たちがこの地域で如何に素晴らしい活動を展開していたとしても、それが市民に伝わらなければその活動の意義は薄れてしまいます。更に、私たちの活動が地域にとって最大の効果を生み出すためには、活動にかける想いを市民に理解していただき、彦根青年会議所の成すことに対して共感の輪を拡げなければなりません。インターネットの普及率が80%を越え、SNSなどのツールによって諸事万端あらゆる情報が行き交う社会へと変遷を遂げて久しい昨今、情報発信の手段は多くなれども私たちの活動の情報が市民に確実に届いているのかと疑問を覚えることがあります。ドラッカーは「自分の情報を必要としているのは誰か、自分は誰の情報を必要としているのか。」必要とする人に必要な時に情報を提供すること、必要な情報を得ることの大切さを説いていますが、それを為すには媒体が多くなり過ぎていること、情報が氾濫し過ぎていることが障害となっているように感じます。そのような時代においても広報手段を厳選して有効な広報活動を行うためには、市民からの共感を得る運動を展開し、精度の高い情報を確実に迅速に発信する必要があります。そして、青年会議所の情報を日頃からチェックするファンを市民の中に一人でも多く作ることが肝要だと考えています。市民はもとより関係諸団体に対する積極的な情報の受発信は、私たちの活動に対する理解と協力を生み、互いに共感し合える広報活動は更なる組織の発展へと繋がると確信しています。メンバー同士が、彦根青年会議所と地域が、『知己朋友』互いに真に理解し合う間柄を築くことは遠い理想のように感じられるかもしれませんが、私たち青年会議所に持続的な成長をもたらし運動をより高みへと導くためには意識すべきことではないでしょうか。ひこねの未来を想う私たちと、市民の地域への想いが通い合う広報活動を展開していきましょう。

【次代のひこねを担う人財の育成】

「一樹百穫(いちじゅひゃっかく)」:人財を育成することは大きな利益に繋がり、大計を成功させるには人財の育成が必要であるということ

 私たちは何故、青年会議所活動と向き合い、共に汗を流し、その活動に打ち込んでいるのでしょうか。全国的に見ても青年会議所の会員数の減少は喫緊の課題であり、何れのLOMも拡大活動を重要視して取り組んでいます。近年の社会情勢を鑑みると致し方ないと感じる側面もありますが、一方で「まちづくり」を真剣に取り組む人財の減少は地域にとって負のスパイラルを生む要因になり得るのではないかと考えています。地域の発展が社業の発展に繋がる。逆もまた然り。私たちの運動が地域にとって必要とされてきたことや、大きな影響を与えてきたことを想い返すと、こんな時代だからこそ、この地域には青年会議所活動を活発に行うことが重要であり、多くの同志を募って更に大きなうねりを生み出すことが必要なのではないかと感じられます。世の為、地域の為、人の為に力を尽くせる人財を生み育てることが、青年会議所における人財育成の在り方であり、その活動は全て経験や知識として自分自身の財産として還ってくるものです。より多くの仲間と活動を通して時間を共有し、多様な価値観に触れ、互いに学びを得て、次代を担うリーダーとして成長を遂げる。その成長が地域に活き、社業に活きる。青年会議所活動の魅力を全てのメンバーが体現し、その姿を見せることができれば、その魅力を十分に把握して発信することができれば、会員拡大への道は拓けると考えています。多くの同志を募り、互いに切磋琢磨し、更に大きな運動を展開できる組織へと成長していきましょう。
 「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり。」どれほど歴史ある立派な組織を築き上げ、意義ある運動を展開していたとしても、人財を蔑ろにしては内側から滅びます。互いに情をもって接し合う関係を構築できれば、強固な組織となり得ます。彦根青年会議所を形成しているのは私たち一人ひとりの存在です。ひこねの地に更なる明るい豊かな社会を創造するためには、メンバー個々の力が漲り、互いに高め合う友情を築くことで生み出される組織力が必要であると考えています。個性に満ちた情熱溢れる個の形成と、「ひと」と「ひと」との密接な繋がりを青年会議所運動の原動力としなければなりません。彦根青年会議所がこれまで培ってきた伝統と経験と知財を胸に、誇り高い情熱を持ったJAYCEEの育成を目指してメンバーの人間力を磨き上げる活動を実施いたします。また、人間力を向上させたメンバーが集う組織は、多種多様な価値観を持った集合体と言えます。青年会議所を「ひと」と「ひと」とが語り合える場とすることで、「ひと」の価値観に触れ、新たな気付きを得て、互いに成長の機会を生み出してまいります。1本の樹に、無数の大きな実を結ぶ。大義を為すためにはメンバー個々が次代のリーダーとしての責任と自覚を持って成長し、それぞれに繋がり合う1つの強固な組織体を造り上げていきましょう。

【市民と歩む活力あるひこねの創造】

「共存共栄(きょうぞんきょうえい)」:互いに助け合ってともに生存し、ともに繁栄すること

 まちづくりはひとづくりと言われます。まちづくりにおいて重要なことは行政が主導して行うのではなく、市民が主体となって創り育てるものであるということを市民自身が意識することではないかと考えています。彦根青年会議所はこれまで明るい豊かな社会の創造を目指して地域に新たな価値を生み出し、地域の魅力を発信する運動を展開してきました。ひこねの未来を見据えてひこねを想い行動し続けてきた彦根青年会議所に寄せられる地域からの信頼と付託は運動の大きな支えとなり、地域の更なる発展に寄与してきましたが、新時代が求める新しい魅力を持ったまちづくりは、ひこねを愛し、ひこねに夢を持ち、夢を実現する行動力を備えた市民「ひこねびと」の育成と、「ひこねびと」による共創が不可欠です。それが延いては地域の価値を高めることに繋がります。そのためにも私たちが率先して運動を展開する中で市民の共感とまちづくりへの関心を呼び起こし、自分たちのまちは自分たちで創るという主体性を持った市民の裾野を広げることが必要です。諸セクターとの連携を更に強化して地域の課題を共有し、協働を図り、運動の幅を更に広げていくとともに、私たちのまちづくりにかける熱い想いを伝播させ、市民の意識変革を導き、まちの新たな可能性を求めて未来を共に描くことのできる運動を展開していきましょう。
 豊かな自然環境と、様々な歴史遺産や伝統、文化が大切に受け継がれてきたひこねは底知れない魅力を持った地域であると言えます。それら地域資源は市民の心を豊かに育み、郷土愛を醸成する重要なファクターとなり得ます。これまで彦根青年会議所は市民と共に地域資源の魅力を見出し、その価値を共有することで地域を誇りに想い愛する心を養ってきました。しかし、時代が流れるにつれて人の求めるものは変化し、ますますモノや情報が溢れ価値観が多様化する社会へと変遷しつつあります。このような時代においても市民の心に郷土への愛情が漲る「ひこねスピリット」を更に育み、いつまでも住み続けたいと感じられるまちを創るためには、地域資源の普遍的な魅力に、時代に合わせたアイデアを注ぎ足し、新たな価値を生み出して発信することが重要だと考えています。まちに新たな価値を生み出すことは地域の活性化に繋がるのみならず、市民の郷土愛を一層呼び起こす源泉と成り得るのではないでしょうか。「不易流行」在るものをあるがままに本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものを取り入れていく。ひこねが誇る豊富な資源に、新しい価値観を融合させ、私たちだからこそ生み出せるひこねにしかない魅力を発信することで、愛郷心と豊かなこころが溢れる市民の「ひこねスピリット」を更に醸成させる運動を展開してまいります。JCが活き、市民が活き、地域が活きる、活力溢れるひこねの創造を目指しましょう。

【2021年度近畿地区大会彦根大会主管に向けて】

 2021年度に彦根の地で3度目となる近畿地区大会の開催が決定いたしました。会員大会の主管は一筋縄ではいかない側面もありますが、私たちが高い志を胸に日々運動を展開しているひこねの地に近畿地区内の青年会議所が一堂に会し、地域の魅力を同志達に発信する絶好の機会であると考えています。また、近畿地区大会の主管に対して一丸となって取り組むことは、私たちの大きな糧となり、組織力を強化する機会ともなります。主管に向けた準備期間となる2020年度においては諸セクターとの調整を図る中で、大会の在るべき姿をイメージし、どうすれば私たちの誇りある「ひこね」を効果的に発信することができるのかを模索してまいります。そして、来るべき2021年度の主管に対し組織内外の意識を高揚させ、メンバーが一致団結して事を為せる環境を整えることにより、大会を成功裡に導く礎を築きましょう。

【結びに】

「JCI Mission」:より良い変化をもたらす力を青年に与えるために 発展・成長の機会を提供すること

青年会議所の使命は、地域により良い変化をもたらすため、日々の青年会議所活動においてメンバー個々がチカラを能動的に蓄える成長の機会を提供することです。彦根青年会議所のメンバーは「ひこね」に新時代を切り拓く変革を求められています。しかし、地域のリーダーとして先導し、変化をもたらそうとしている私たち自身が、時代に合わせて変わっていかなければ何を成し遂げられるというのでしょうか。青年経済人よ変化を恐れるなかれ。先輩諸兄から受け継がれた揺るぎない熱い志と確固たるビジョンを胸に、時流を読み解き変化に対応できる若い感性と柔軟な発想を掛け合わせ、ひこねの地で私たちにしかできない運動を繰り広げていきましょう。私たちのチカラはひこねの未来を創造できると確信しています。

【事業計画】

1.1月度例会(新年交流例会)
  内 容:2020年度の運動指針を共有し、行政や諸団体との交流を図る例会
  時 期:1月
  対 象:メンバー及び諸団体
1.総会
  内 容:総会の運営
  時 期:1月~12月
  対 象:メンバー
1.理事会
  内 容:理事会の運営
  時 期:1月~12月
  対 象:メンバー
1.ハンドブック作成
  内 容:ハンドブック作成
  時 期:2月
  対 象:メンバー及び各種団体
1.4月度例会(家族例会)
  内 容:家族への感謝を表し、青年会議所活動への理解と協力を得る例会
  時 期:4月
  対 象:メンバー及び家族
1.事業報告及び会計報告書作成
 内 容:事業及び会計報告書の作成
 時 期:12月
 対 象:メンバー

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